読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Surface Pro 4 / 3 ビジネス活用日記

Surface Pro 4 / Surface 3 の意外と知らない活用法を発信します

【祝!国内発売1周年特集】(2) Windows RT固有のメリットを改めて確認する

f:id:iwam:20131126204625j:plain

UBS_LarsonGreen.docx

Windows RTの性格について述べたJulie Larson-Green氏(昨年11月)

 

Windows RTは単なる「機能制限版のWindows 8.1」ではなく、固有の長所を持っているOS

 

Surfaceシリーズの国内発売から一年。「Surface」というブランドについては一定の認知が進んできた一方、搭載するOS「Windows RT」については、依然として理解が浸透していない部分が多くあります。

 

最も多い誤解が、「Windows RTは単なる機能制限版のWindows 8.1である」というものです。これは一面だけをとらえた間違いなのです!

 

正しくは、「Windows RTは、Windows 8.1の機能を制限することで、別のメリットを獲得したWindows」なのです。

 

本記事では、この点について、改めてまとめて説明したいと思います。

 

Windows RTとは何か?」Microsoft幹部の説明

 

昨年11月、MicrosoftのDevices and Studios部門の責任者Julie Larson-Green氏は、Windows RT OSの性格について、以下のように説明しました。

 

 

JULIE LARSON-GREEN: Sure. So Windows RT, I think there's clearly, when you look out in the industry, there's clearly a need for a simplified consumer electronics experience on devices. So you look at iPad in particular, and it's a turnkey, closed system. It doesn't degrade over time. It doesn't get viruses. It's not as flexible, you can't do as much with it, but it's a more seamless experience, even though more simplified.

 

And so Windows on ARM, or Windows RT, was our first go at creating that more closed, turnkey experience, where it doesn't have all the flexibility of Windows, but it has the power of Office and then all the new style applications.

 

「システムがユーザーから隔離され、手を加える必要がないOSの上で、Officeと新しいストアアプリが動作する環境を提供する」これがWindows RTの目的です。

 

では、なぜ隔離され、クローズドなOSが必要なのか? それを知るには、「従来のデスクトップアプリで何ができなかったのか」を確認する必要があります。

 

従来のデスクトップアプリの問題点は、3つ

 

通常のWindowsパソコンでインストールできるデスクトップアプリ(従来のパソコンソフト)には、以下のような問題点があります。これが、コンシューマー向けには大きな弱点になります。

 

  1. システムを改変することができる
  2. 定まったアップデートの仕組みがない
  3. 常駐プログラムがバッテリーを消費し続ける

 

1.システムを改変することができる

 

デスクトップアプリは、自由に動作ができます。ユーザーが幅広いことをできる反面、システムに害を与える動作も可能になってしまいます。

 

この弱点をつくプログラムが、マルウェア、いわゆるコンピュータウイルスです。

 

通常、Windowsパソコンにはセキュリティソフトをインストールしてマルウェア感染を防御しますが、ユーザーがシステムを改変できる仕組みがある以上、常にセキュリティリスクにさらされることになります。

 

自由と引き換えに、ユーザーは自己責任でリスクを管理する必要があります。

 

2.定まったアップデートの仕組みがない

 

近年は、ソフトウェアの脆弱性が頻繁に発見され、その脆弱性を狙った攻撃もすぐに発生することから、アプリを最新の状態に保つことが極めて重要になっています。

 

しかし、デスクトップアプリをアップデートする方法は決められていません。Windows Updateはシステムのアップデートを行いますが、デスクトップアプリは対象外です。

 

このため、ユーザーは、インストールしているアプリが最新かどうか、自分でチェックした上で、手動でアップデートを行わなくてはなりません。

アプリの数が多ければ多いほど、ユーザーの負担は増えていきます。

 

一部のWebブラウザやそのプラグインメディアプレーヤーなどは、独自の自動アップデート機能を持っている場合がありますが、それがセキュリティホールになる場合もあります。

下記は、公的機関が最近この問題でマルウェアに感染した例です。

 

もんじゅPC、動画ソフトで感染 GOMプレーヤーの更新時−北海道新聞[道外]

 

3.常駐プログラムがバッテリーを消費し続ける

 

Windowsデスクトップ上では、さまざまな種類のプログラムが常駐し、一定のCPUパワーやメモリを消費しています。

 

Windowsパソコンのデスクトップ右下のタスクトレイを見ると、セキュリティソフト、プリンタドライバ、各アプリ独自のアップデートシステムなど、諸々のプログラムが動いていることがわかります。

 

これらは、動作速度やバッテリー動作時間に影響を及ぼすため、特にモバイルデバイスでは大きな弱点になります。

 

Windows RT上では、デスクトップアプリに起因する問題は発生しない

 

Windows RTには、デスクトップアプリが古い仕組みゆえに抱える問題点を排して、モバイルデバイスとして快適に使えるような変更が施されています。

 

それゆえ、以下のようなWindows RT固有のメリットがあります。

 

高い水準のセキュリティ 

 

Windows RTでは、デスクトップアプリ、Officeのマクロ、ブラウザのプラグインなど、システムに害を与える動作が可能なプログラムについては、最初から動作が無効化されています。

 

このため、メールで送られた不正な添付ファイルをうっかりダブルクリックしてしまっても、実行されず、感染することもありません。

 

また、Windowsストアアプリは、システムや他のアプリに干渉することができないようになっており、それに加えて、Microsoftが審査したものだけがストアに流通する仕組みになっています。

 

これにより、Windows RTのシステムはユーザーやアプリから隔離され、安全に保たれています。

 

OSおよびアプリの自動更新

 

Windows RTでは、Windows Updateが常に「オン」になっており、ユーザーが「オフ」にすることはできません。これにより、毎日システムアップデートの有無がチェックされるようになっています。

 

また、Windows Updateの守備範囲が大幅に広くなっているのも特筆すべきことです。SurfaceシリーズのWindows Updateは、OSのみならず、システムファームウェアデバイスドライバなども一括して更新します。

 

このため、Windows Updateさえ実施していれば、ユーザーがそのほかに手動で何かをアップデートする必要はありません。

 

また、ユーザーが追加できるWindowsストアアプリは、自動更新を設定しておけば、Windowsストアを通じて自動的にアップデートされます。

 

これにより、ユーザーは、アプリの管理に要する膨大な労力を節約し、セキュリティリスクを軽減することができます。

 

常駐プログラムの大幅削減

 

Windows RT上では、デスクトップ上の常駐プログラムがほとんどありません。

サードパーティのセキュリティソフトは必要ありませんし、独自のプリンタドライバも、ChromeJAVAの自動アップデート機能も動きません。

 

このため、常時動いてバッテリーを消費するプログラムは、通常のWindows 8.1よりも大幅に少なくなっています。

 

さらに、Windowsストアアプリは、動作しないときは自動的に動作を停止し、メモリーを開放する仕組みになっており、少ないメモリで効率的に動作するようになっています。

 

Surface 2が、パソコンより非力なCPU(Tegra4)と少ないメモリー(2GB)でも軽快な動作と長時間のバッテリー持続を実現しているのは、この恩恵によるところも大きいはずです。

 

結論:Windows RTの固有のメリットを正しく理解することが、Surface 2を使いこなす第一歩

 

以上、長文になりましたが、Windows RTの通常版のWindowsとの「違い」が、ただの「機能制限」ではなく、固有のメリットを実現するための「合理的な変更」であることをご説明しました。


これらのメリットにどれほど価値を見出すかは、ユーザーによって異なるでしょう。

 

ただ1ついえることは、これらのメリットを高く評価するユーザーが多く存在し、Surface 2の売り上げやユーザーレビューでの高評価につながっているということです。

 

「動かないからダメ」ではなく、「動かないからOK」と考える。これが、Surfaceを使いこなす上での第一歩といえると思います。

 


↓もし、当サイトの記事がお役に立ちましたら、ブクマないしツイートしていただけますと励みになります!